
■道の駅に求められる「送客力」――地域全体の賑わいを生むために
道の駅は、公的資金が投入されている公共施設であり、本来の目的は単なる集客ではなく、地域全体の活性化に貢献することにあります。道の駅が賑わうだけでは、その恩恵は限られた範囲にとどまります。しかし、道の駅を訪れたお客様が地域の飲食店や観光スポット、商店街へと足を運ぶことで、地域経済全体に好循環が生まれます。
このように、道の駅に求められるのは「集客力」だけではなく、地域へお客様を送り出す「送客力」です。道の駅が地域の玄関口としての役割を果たし、周辺の魅力を発信し、観光や買い物、体験などへ誘導する仕組みを整えることが重要です。そのためには、地元の事業者や自治体と連携し、地域の魅力を道の駅内で効果的にPRすることが求められます。
道の駅が「送客力」を高めることで、地域全体の賑わいが生まれ、持続的な地域活性化につながります。道の駅を起点に、地域の人々が誇れるまちづくりを進めていくことこそ、本来の使命なのです。

■道の駅運営の本質――地域とともに発展するために
近年、民間企業が指定管理者として道の駅運営に参入するケースが増えています。しかし、利益を優先するあまり、地域との距離が生まれてしまっては本末転倒です。道の駅は、地域が潤うことでその恩恵を受け、結果として利益を残すべきものであり、道の駅単体で儲けようとする発想では長続きしません。
本来、道の駅は地域の経済循環を高める拠点であり、その役割を果たすことで地域全体の活性化につながります。道の駅が中心となり、地元の農業や商業、観光業と連携し、新たな産業を生み出せば、雇用が増え、地域に人が定着する流れが生まれます。最終的には、人口増加を視野に入れたまちづくりへと発展させることも可能です。
道の駅は単なる商業施設ではなく、地域を巻き込みながら共に成長していく拠点です。その視点を持つことこそ、道の駅運営の醍醐味ではないでしょうか。
